提案・実績紹介proposal & result

EV向けInverter Turnkeyソリューション開発大手半導体メーカー様

EVシステムにおいて、モーター制御は根幹技術と言えます。インバーターはその核となる部品であり、インバーターの制御が高性能、高効率、低燃費を決める大きな鍵となります。弊社はこのインバーターの制御ソフトの開発を担い、EV普及の加速、拡大に向けてお客様とともに貢献してまいります。

  • 組み込み
  • モーター制御
  • EV
  • パワー半導体
EV向けInverter Turnkeyソリューション開発

主な業務内容

インバーターシステムのTurnkeyソリューション開発

インバーターシステムは、EVで採用されるACモーターを駆動させるため、その動力となる高圧電流のスイッチング制御を行います。IGBTモジュール(パワー半導体)の電力変換(12V->400V、DC->AC)において重要な技術課題は、電力の変換ロスをいかに軽減するかに尽きます。より高速なスイッチングと高効率の電力利用をする必要があり、適切な温度管理も欠かせません。さまざまなソフトウェアアルゴリズムを駆使してインバーター状態の常時監視を行い、適切なエラーハンドリングを行うことで、これらの要望にお応えしました。

インバーター制御ソフトウェアの開発環境

50V程度のシミュレーション用のベンチと、本番の400Vモーターの防音・絶縁された特殊なベンチを作成し、開発環境として利用しています。400Vのベンチ利用には、低電圧の取り扱い資格も必要になります。欧州メーカー、中国メーカーの要望に応えるためには、高品質に加え機能安全の基準を満たす必要もあります。ソフトウェアドライバには、ASIL取得を前提とするMCALパッケージを組み込み、統合開発環境には、自動車業界でスタンダートであるGreen Hills System社のMULTIを採用しています。また、アプリケーションの機能安全にも対応するため、MISRA準拠のコーディングを行いました。

インバーター制御システムのイメージ

EV用のモーター(AC/ブラシレス)のソフトウェア制御は、モーターから入力される電流値と進角をもとに3相2相ベクトル変換を行い、PI制御、逆起電力推定、デッドタイム補償等の制御アルゴリズムを経て、再び3相2相ベクトル変換をしたのち、PWM波形として出力されるクローズドループ制御を採用しています。これに加え、出力効率を高めるため矩形波制御へ切り替えたり、入力誤差を補正しより正確な推定を行うためキャリブレーションを行ったり、マップを使うことで計算処理の高速化を図り制御周期を速め制御精度を高めるなど、性能を向上させるさまざまなアルゴリズムを試行し、お客様の要望にお応えしました。

インバーター制御システムのイメージ

EVの普及、発展に貢献

日々進化するEVシステムの要求に応えるべく、より高度に、より迅速に、システムをアップデートし続けることが求められています。弊社が培ったモーター制御ソフトウェア開発の技術が、今後大きな拡大が見込まれるEV領域において、お客様のビジネスの成功に貢献できると確信しています。